千葉刑事事件 相談室

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傷害(不起訴処分)


事案の概要

依頼人であるAさんは、あるグループに所属していたところ、そのグループの後輩に傷害を負わせたということで、被害者である後輩が警察に被害届を出し、それによりAさんが逮捕・勾留されたという事案です。

解決内容

Aさんは被害者の方と知り合いであったことから、当初から被害者の方の連絡先がわかっていました。そこで、当職はAさんの弁護人として被害者の方に連絡をし、示談交渉を始めました。
被害者の方の傷害の程度やAさんが犯行を犯した経緯に照らすと、弁護士としての経験から、本件の示談金額は30万円程度が妥当であると判断し、被害者の方には、治療費及び慰謝料等として30万円をお支払いする旨、提示させていただきました。
当初は、被害者の方も30万円で示談に応ずる意思を示してくださっていたのですが、最終段階に至ってから、50万円でなければ納得できないという話になりました。Aさんは、30万円以上の支払いをすることができなかったので、示談は不成立となりました。
そのため、やむなく、30万円に傷害の日からの利息(年5分)を加えた金額を、法務局に供託しました(供託手続をとることにより、法的には事実上支払ったとみなされます。)。
示談は成立しなかったものの、当職はこの間の示談交渉の経緯を詳細に記載し、また、法務局に金銭を供託した事実を明らかにする書面を作成し、担当検察官に提出しました。
その結果、本件は不起訴処分となりました。


弁護士のコメント

弁護士を長年やっていると、被害弁償の相場というものが大体わかってくるものです。しかし、加害者側は、示談が成立しないと裁判になる可能性が高まり、また、裁判になって前科があったりすると実刑になる可能性も高く、極めて弱い立場で交渉せざるを得ません。そのことをわかっているのか、相場以上の金額を要求してくる被害者の方もいます。
このような場合でも、依頼人(加害者)が納得して、そのお金を用意できるのであれば良いのですが、どうしても一定以上の金銭を用意できない場合には、示談は成立しません。
もっとも、示談が成立しなかったとしても、一定金額の支払いが可能なのであれば、その支払可能な金額分についてあらかじめ弁護人がお金を預かっておき、被害者の方に対して、“刑が確定した後であっても一定期間は金銭を支払います。”という申し出をしたり、あるいは、本件のように支払可能な金額を供託するなどの弁護方針をとります。
そして、この事実を検察官に報告し、示談の一定金額を提示した上、示談のための努力をしたことを明らかにすることにより、検察官はこの経過を有利な情状として評価します。
したがって、単に示談が決裂したからといって諦めるのではなく、弁護士としてできる限りのことを行い、検察官に対し、その事実を報告することが重要なのです。




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傷害(不起訴処分)


 

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