私は、1979年(昭和54年)、弁護士登録して以降、今日に至るまで、多数の刑事事件を手掛けてきました。殺人事件、強盗事件、傷害致死事件、傷害事件、窃盗事件、詐欺事件、横領事件、恐喝事件、強姦事件、強制わいせつ事件、威力業務妨害事件、監禁事件、脅迫事件、強要事件、文書偽造事件、談合事件、麻薬・覚せい剤事件、迷惑防止条例違反事件、出入国管理法違反事件、公安条例違反事件等々、一般的な刑事事件や少年事件については、ほとんど全て、弁護人として経験してきました。 |
正直、弁護士になりたての頃は、犯罪を犯すような人間と自分とは、違う人間なんだということを前提に、弁護士として、その職責を果たすという気持ちで弁護活動を行なっていました。
しかし、多くの事件を手掛けるうちに、徐々に、被疑者(犯罪を犯したとして捜査の対象となっている人)や被告人(犯罪を犯したとして起訴された人)と弁護人である自分とは、立場は異なるものの、環境や状況が異なっていれば、私自身も、被疑者や被告人と同じような気持ちになり、同じような行動を取っていたのではないかと思うようになって来ました。このように思うようになり、立場は違うものの、より、被疑者や被告人の心に寄り添い、被疑者・被告人の話に親身に耳を傾けるようになりました。
犯罪を行なっていないにも関わらず、起訴されることが絶対ないように、罪を犯しているとしても、被疑者・被告人の気持ちや立場を十分理解したうえで、弁護活動を行なう、という姿勢を貫いているつもりです。
また、警察により嫌疑をかけられたり、さらに、逮捕・勾留されるようなことになれば、本人自身は勿論、ご家族の不安や心配は、計り知れないものがあります。弁護人としては、特に逮捕・勾留されてしまった被疑者・被告人と、ご家族のパイプ役として、双方の状況を出来る限りお伝えします。
また、一般の方は、刑事手続がどのように進められるのか、ということを知らない方がほとんどです。逮捕・勾留されてしまった方が、どの程度の期間勾留され、起訴された場合、どのようになるのか、不起訴なるとしたら、いつ釈放されるのか、保釈の手続はどの時点で行うのか等々、刑事手続についての流れを必ず説明するようにしています。もちろん、この事件で何がポイントなのかについても、十分説明し、理解してもらいます。
このようなことを説明することにより、御家族の方も、いたずらに不安にかられることなく、今現在、逮捕・勾留されている方が、どのような手続にあるのか、今後、どのような手続がとられていくのかを正確に理解して、弁護人と協力して被疑者や被告人の有利になる活動を行なうことができるようになります。
私が弁護士として刑事弁護人になった場合、心掛けていることは、当然のことですが、無実の人が起訴されたり、有罪とされては絶対ならないということ、例え罪を犯したとしても、被疑者や被告人の人権が最大限保障される手続により、捜査や裁判が行なわれることです。私は、長年の経験を生かし、今後も、不幸にして刑事事件を起こしてしまった方や、刑事事件に巻き込まれてしまった方々のために、自分に出来る限りのことを行なっていきたいと思っています。